精子凍結を希望される方へ

近年、白血病や悪性腫瘍の治療法(外科療法、化学療法、放射線療法、骨髄移植など)が進歩したことにより、それらの疾患における治療成績は改善されつつあります。
ところが一方では、治療の副作用として造精機能(精子を造る機能)の低下がおこりうることも明らかになってきました。
そのような事象に備えて、治療終了後に挙児を希望される場合など、ご本人の意思に基づき、治療開始前に精子を「凍結保存」しておくことができるようになりました。
当院では白血病や悪性腫瘍の治療を受けられる方を対象に、大切な精子を「凍結保存」してお預かりしております。
なお、造精機能は回復することもありますので、治療終了後1年単位で精液検査を受けられることをお勧めしております。

対象となる方

白血病や悪性腫瘍の治療(外科療法、化学療法、放射線療法、骨髄移植など)を受けられる予定の方で、ご本人が精子の凍結保存を希望される方(成人の方、未成年の方ともにご家族の承諾が必要となります)。

凍結ご希望の方へ

凍結精子の保存を希望される場合、なるべく待ち時間を短縮するため、当クリニックでは事前にご予約をいただいております。
当日は出来る限りご家族の方といっしょにお越しください(未成年の方は必ず保護者の方もお越しいただけますようお願いいたします)。
来院後に、医師より凍結に関する説明を受けていただきます。
説明に同意していただけたら、精液を採取していただきます。
その後、医師より精液所見・凍結保存の詳細について再度ご説明させて頂きます。
精子は当日の所見によって数本にわけて凍結することが可能ですが、精液の状態によっては凍結保存できない場合もありますのでご了承ください。

  • ※当日の患者様の体調によってはご家族の方が精液をご持参いただいてもかまいません。その場合、あらかじめ採精カップをお渡しいたしますのでお電話にてご確認ください。

当日ご持参いただくもの

ご本人様
  • ・主治医からの紹介状
  • ・健康保険証
  • ・印鑑(シャチハタ印不可)
ご家族の方
  • ・ご家族であることが証明できるもの
  • ・印鑑(シャチハタ印不可)

凍結保存方法と費用について

精子の凍結保存は液体窒素の中で行います。
凍結保存の費用は38,500円(税込)となり、保存期間は凍結日から12ヶ月です。1年ごとに凍結更新の手続きが必要となります。更新される場合には廃棄日の1ヶ月前から廃棄当日の間に、お電話にてご連絡いただけますようお願いいたします。なお、更新には書類手続きと凍結更新料33,000円(税込)が必要となります。

治療におけるリスク・副作用など

融解後、凍結前よりも精子の運動率や直進運動性が低下する可能性があります。