女性の不妊症について
女性の不妊症について
2016.11.02
「結婚すれば子供は授かる」と特に疑うこともなく、信じていらっしゃる方も多いと思います。
しかしながら、実際にはなかなか子宝に恵まれず、「どうして私たちには子供ができないのだろう」と悩んでいらっしゃるご夫婦が少なくありません。
女性の不妊症の主な原因としては、子宮内部の障害(子宮内膜症、子宮筋腫、着床障害など)、卵巣や卵管部の障害(排卵障害、卵管障害)、ホルモン分泌異常(黄体機能不全、高プロラクチン血症など)、性感染症、不育症などが考えられますが、現在の医療では不妊因子が100%解明できておらず、実際は診断結果が原因不明であることもまだまだ多いのです。
こういった原因不明の不妊は、主に機能性疾患によるものと考えられます。機能性疾患の要因として、多くの女性が悩みを抱えている冷え症や、ホルモンバランスの崩れ、間違った食生活やダイエットによる栄養欠損、飲酒やタバコ、ストレス、不規則な生活からくる活性酸素によるダメージ、免疫力の低下、新陳代謝の低下などが考えられますが、これらは女性の年齢とも深くかかわっています。
女性はこの世に生を受けた時、卵巣内に200万個の卵子(原子卵胞)を抱えていますが、その数が増えることはなく、月経が始まる頃にはそのうちの約180万個が自然に消滅してしまいます。そして、卵子の数がゼロになった時に閉経を迎えます。
しかも、男性では毎日新しい精子が作られますが、女性は新たに卵子を作ることができないため、女性の年齢と共に卵子も老化していきますので、妊娠する確率も低下してしまいます。
そして、最近では間違った食生活やダイエットによる栄養欠損や不規則な生活からくる活性酸素によるダメージ、環境ホルモンの影響などにより、若い世代の不妊も増加しています。
このように、さまざまな原因が複雑に絡み合い、女性の卵巣や卵子の年齢はさらに個人差が大きくなっています。年齢を重ねても卵巣年齢が若く卵子がたくさん残っている女性もいれば、年齢が若くても卵巣の老化が早く卵子の数がかなり減少してしまっている女性もいます。
先天的な身体機能の問題が原因で不妊症になるケースは少数であり、加齢や生活習慣、環境などが原因で問題を抱えてしまうケースも増えているため、少なからず、身体的・精神的・経済的に負担のかかる不妊治療(一般的な不妊治療から体外受精や顕微授精などの高度生殖医療まで)を検討する前に、まずは、卵巣機能を整え妊娠しやすい身体を作るために、根本的に生活習慣を見直してみることも必要かもしれません。
35歳以上で妊娠を希望されている方、体外受精を試してみたけれど良い結果が出なかった方や妊娠を希望しているけれど身体の健康に自信がない方は、栄養療法や漢方治療で体質を改善することも可能ですので、専門医にご相談してみられることをおすすめします。
当院では、一般的な不妊治療であるタイミング療法から、人工授精・体外受精・顕微授精などの高度不妊治療まで、日々、それぞれのスタッフが医療技術の研鑽に取り組んでいますが、技術的なことだけにとらわれず、妊娠しやすい身体づくりをしていただくために、栄養指導や漢方療法も採り入れた複合的な視点で不妊治療を行なっています。
妊娠できないことを思い悩み、深く考えるよりも、まずはご自身の身体と心が新しい命を迎える準備をできているかどうか、専門医の検査や診断、アドバイスを受けてみてはいかがでしょうか。まずは、ご相談だけでも構いませんので、どうぞお気軽にご連絡ください。