不妊治療にまつわるQ&Apowerd by jineko

移植に進めない、適した採卵方法は?

教えて!

2人目不妊で、5、6年前よりタイミング法、3年前より体外受精をステップアップして治療を続けています。
4回移植をして、2回は9週で稽留流産、2回は着症すらできずでした。
その後、2、3回ほど採卵をしましたが、年齢からか10個前後採卵できても移植までは進めず現在に至ります。
今回生理が始まる3、4日前に茶色の症状の出血が4日ほど続き、その後生理が来たのでびっくりして、 治療中のクリニックで相談をしたら、年齢的なことで問題はないと言われました。
私は年齢的にもう生理すら普通ではなくなってきて、採卵をしてもまた移植までは進まずに終わってしまうのかと心配しています。
年齢的にもう諦めた方がいいのか迷います。
担当の先生からしたら大したことはないそうですが、もうずっと移植にすら進めていない現状があるので不安だらけです。
年齢的に今までとは違った採卵までの過ごし方なり、何かホルモン補充のような治療をしたりとか提案してほしかったのですが、 特に何もなく、それもまた心配になりました。
私が考えすぎなのでしょうか。

お答えします

レディースクリニック北浜 
Dr.奥 裕嗣

今回の不正出血とですね、胚盤胞にならなくて胚移植がキャンセルになっているとか、そういうことは全く無関係かと思います。
不正出血を何回も繰り返すということであれば、その他の原因を検索する必要があるかと思いますが、 繰り返さなければ、今回が1回だけでということであれば、気にしなくて大丈夫かなと僕は思います。
40歳の年齢で10個前後の卵が取れているというのは、 AMHの値を多分調べると、実際の卵層、実年齢よりも多分卵層年齢も若いのではないかなと考えます。
しかしですね、母体の年齢とともにどうしてもその染色体異常の割合というのが増えてきてしまうという現実があります。
染色体異常の卵は胚盤胞の到達率が下がるということで、 どうしてもその年齢とともに胚移植のキャンセル率というのは増えてしまう現状にはあるかと思います。
しかしですね、37歳から体外受精を実施されてですね、4回の治療で2回妊娠されているということは、 胚質以上とかそういう着症障害とかの異常はないと思われますので、 また頑張っていただいたらチャンスは十分あるかと思いますが、 あとはもう正常な卵ですね、染色体異常じゃない卵に出会えるかどうか、 ちょっともう確率の問題にはなってきてしまうんではないかなと思います。
あとはまあ、胚盤胞で排出するというのであればですね、 一つ綺麗な胚盤胞ができてくれれば、一つそれを出生前着症診断ですね、PGT-Aですね、 自費の治療になりますけど、そういうのをして胚移植することによって、 正常な卵が胚移植できれば年齢のことは関係ありませんので、 1回で5割超えるような着症率は出てきますので、 ちょっとそういうのも治療の選択肢にはあるのではないかなと思います。

●PGT-A(着床前診断)
PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)とは、体外受精で得られた胚の染色体数を調べる検査です。胚を子宮に戻す前に、染色体に異常がないかを確認することで、妊娠率の向上や流産のリスクを減らす目的があります。特に、反復流産や高齢出産の場合に有効とされます。正常な染色体をもつ胚のみを選んで移植することで、妊娠までの期間を短縮できる可能性がありますが、日本では現時点で一部の条件下のみで実施が認められています。

PGT-Aとは→

 

レディースクリニック北浜 院長 奥裕嗣

  • 医学博士
  • 日本産婦人科学会専門医
  • 日本生殖医学会生殖医療専門医
  • 日本生殖医学会生殖医療指導医

愛知医科大学卒業後、同大学産婦人科学教室に入局。その後、アメリカにて体外受精や顕微授精をはじめとする生殖医療技術の研修を受ける。
IVF大阪クリニックおよびIVFなんばクリニックで副院長を歴任した後、レディースクリニック北浜を開院。以来、20年以上にわたり不妊に悩む患者さまの診療に従事している。