ウトロゲスタンの使用について
ウトロゲスタンの使用について、一通りの検査を行ってこの間の採血で 黄体ホルモン値P4が16点台でした。
この数値だと自費でウトロゲスタンを使用した方がいいかもしれないと言われました。
今回のタイミングはお盆休みも重なるため使用はせず、 デュファストンの内服で様子を見て、次回生理が来た時は検討しましょうと言われている状況だそうです。
基準値的には低いわけではなく、黄体機能不全との診断もないのですが、 ウトロゲスタンはタイミング法から使用していた方がいいのでしょうか。
一錠600円の膣錠を1ヶ月以上使用しないといけないので、 自費だとなかなかな金額になってしまい悩んでいますということです。
レディースクリニック北浜
Dr.奥 裕嗣
ウトロゲスタンは通常、保険適用が通るのが生殖補助医療ですね。
体外受精における黄体補充のみですね。
タイミング療法にウトロゲスタンを使うというのは当然自費になるかと思いますが、通常タイミング療法にウトロゲスタンを使用するというのは一般的ではないと思います。 最低でも僕はやったことはないです。
また黄体機能不全があれば黄体補助は何かの方法でする必要はあるかと思うんですけど、 黄体ホルモンがプロゲステロンの値が10以上が16ということで、 黄体機能不全もないということですので、おっしゃられるように黄体機能不全はないので、 特にタイミング療法でウトロゲスタンの治療というのは僕は必要はないのではないかなと思います。
※ウトロゲスタンとは?
ウトロゲスタンは、黄体ホルモン(プロゲステロン)を補うお薬です。不妊治療や体外受精において、子宮内膜を妊娠しやすい状態に整えるために使用されます。腟からの投与が一般的で、自然なホルモンに近いのが特徴です。
※黄体機能不全とは?
黄体機能不全とは、排卵後にできる黄体から分泌される黄体ホルモン(プロゲステロン)が十分に分泌されない、または分泌の期間が短い状態を指します。子宮内膜が十分に厚くならず、受精卵が着床しにくくなるため、不妊や流産の原因となることがあります。治療には、黄体ホルモン補充などが用いられます。

レディースクリニック北浜 院長 奥裕嗣
- 医学博士
- 日本産婦人科学会専門医
- 日本生殖医学会生殖医療専門医
- 日本生殖医学会生殖医療指導医
愛知医科大学卒業後、同大学産婦人科学教室に入局。その後、アメリカにて体外受精や顕微授精をはじめとする生殖医療技術の研修を受ける。
IVF大阪クリニックおよびIVFなんばクリニックで副院長を歴任した後、レディースクリニック北浜を開院。以来、20年以上にわたり不妊に悩む患者さまの診療に従事している。