トキソプラズマ
担当:キシ|2018.03.31
桜の花が満開ですね。
今年は、花冷えもなく、過ごしやすい気候で、お花見をされる方も多いのではないでしょうか。
今回のテーマは『トキソプラズマ』です。
ネコ科の動物の腸内には、捕食した動物や土などを通じて感染した「トキソプラズマ」という寄生虫が住みついていることがあり、フンを通して人間に感染することがあります。
妊婦さんがトキソプラズマに感染した場合、妊婦さん自身は軽い風邪のような症状で治まる、もしくは、症状が出ないこともあるようですが、胎児が胎盤を通して感染した場合、先天性トキソプラズマ症になる恐れがあるので注意が必要です。
胎児が先天性トキソプラズマ症にかかると、脳性麻痺や視力障害、精神・運動機能障害などが起きる可能性があります。また、死産や流産につながる恐れもあります。
胎児に感染する確率や影響の大きさは、妊娠時期によって異なります。
妊娠初期であれば、胎児に感染する確率は低いものの、万が一感染した場合は重症化する傾向にあり、妊娠後期であれば、胎児への感染率は高くなりますが、症状は軽くなる傾向にあります。
過去にトキソプラズマに感染したことがある人は、体内に抗体ができているため、胎児に感染することはありません。
トキソプラズマの抗体検査をご希望の方は診察時に申し出ていただければ、検査することも可能です。
ちなみにネコ科以外の動物である犬やハムスター、鳥などからトキソプラズマに感染することは、ほとんどないそうです。
トキソプラズマは生肉や土などからも感染する可能性があるので、妊娠中は生肉を控えたり、ガーデニングなどの土いじり後の手洗いを入念にしましょう。