先進医療助成制度も始まりました
担当:和田|2023.06.23
前回は不妊検査費助成制度についてお話しました。
大阪市では不妊検査費とは別に、令和4年4月から保険適用となった体外受精や顕微授精など特定不妊治療に併せて行われる、先進医療に要する費用の一部を助成する制度も新たに設けられました。
・先進医療とは?
厚生労働省において、将来的な保険導入のための評価を行うものとして、未だ保険診療の対象に至らない先進的な医療技術等、保険診療との併用を認めたもの。
先進医療に係る費用は、患者様が全額自己負担することになります。
【対象者】
・夫婦(又はパートナー)のいずれかが大阪市に住所を有していること
・治療開始時点から夫婦であること ※事実婚関係の方も対象
・治療開始時点の妻の年齢が43歳未満の方
・先進医療の実施機関として厚生労働省へ届出又は承認されている医療機関で治療を受けていること
・治療は令和4年4月1日以降に保険診療で実施された特定不妊治療と、先進医療を併用したものであること
・助成対象となる先進医療について、他の自治体で助成を受けていないこと
【当院で実施している先進医療】
※令和5年6月時点
・子宮内膜刺激法(SEET法)
・タイムラプス撮像法による受精卵・胚培養(タイムラプス)
・子宮内膜擦過術(子宮内膜スクラッチ)
・ヒアルロン酸を用いた生理学的精子選択術(PICSI)
・子宮内膜受容能検査1(ERA)
・子宮内細菌叢検査1(EMMA/ALICE)
・二段階胚移植法
・子宮内細菌叢検査2(子宮内フローラ)
【助成額】
保険診療で実施された特定不妊治療と併用して行われた、先進医療に要した費用の総額に10分の7を乗じた額(上限5万円・1円未満切り捨て)を通算6回(もしくは3回)を限度に助成します。
【申請期限】
1回の治療が終了した日から1年以内に先進医療を実施した医療機関で証明書の作成後、提出に必要な書類を送付又はオンラインにて申請。
詳しくは大阪市のホームページをご確認下さい。
大阪市以外の助成制度については、お住まいの自治体にご確認ください。
保険適用により経済的負担は軽減されるものの、保険適用内で実施できる治療は限られています。
その治療に併せて当院ではお子様を望む患者様に合った、より良い治療や技術の幅を広げるため、様々な先進医療を提案させて頂きます。
さらに、現在先進医療となっている技術が少しでも早く保険導入され、日本の生殖医療の進歩にも繋がるようにと願っています。