コロナウイルス感染で精子が減少する⁉
担当:キシ|2023.02.12
まだまだコロナ禍は続いておりますが、皆様お変わりないでしょうか。
新型コロナから回復した男性の精子が減少するという報告が海外では複数出ており注目されています。
ドイツで行われた研究では、新型コロナと診断された男性患者84人と比較対象となる健常者105人を対象に、精液中のACE2(新型コロナウイルスが感染する受容体)活性、炎症および酸化ストレスマーカー、精液所見を10日間隔で評価し、最大で60日間の追跡調査を行いました。
新型コロナ患者では、精液中のACE活性、炎症および酸化ストレスマーカーが明らかに高く、精液量、運動性、精子濃度、精子数が低下していました。
その影響は採取開始から60日後まで続いており、長期に続く可能性が示唆されています。精子は約70日サイクルで作られることから、影響が一過性なのか、あるいはより長期に続くものなのか今後の長期観察された研究結果が期待されます。
成人男性がおたふくかぜに罹ると精巣炎を起こすことがあり、稀に男性不妊の原因となることは有名です。インフルエンザなどの発熱疾患が精子の減少に関与するという報告もあります。
新型コロナが男性不妊の原因になるのかについては現時点では十分に分かっていませんが今後大規模な研究で男性不妊とコロナの関連について明らかになることが望まれます。
新型コロナも一時的かもしれませんが、精子数減少の報告があるため、ご心配な方は当院までご相談ください。