今年もよろしくお願いします
担当:カナモリ|2023.01.20
2023年もレディースクリニック北浜をよろしくお願いします。
さて今年一回目のスタッフブログは精子濃度についてです。
ヒューマンリプロダクションアップデートに掲載された研究によると 1973年から2018年にかけて精子の平均濃度が1億2000万/mlから4900万/mlと51.6%減少していることが判明しました。
精子濃度が4000万/mlを下回ると生殖能力が損なわれると推定されています。
この研究は53カ国のデータを分析したもので、この傾向は全世界で見られるとともに同時に加速しており、減少率は全データで1.16%、2000年以降に絞ると2.64%となっていました。
世界規模で何かが間違っており、これに対して我々が何かアクションを起こさないといけない。危機に直面しており、今すぐ取り組むべき問題である、とこの研究の著者は結論づけています。
WHOが発表する世界の平均も年々減少傾向にあります。かつて私が中学生の頃は1億分のたった一つの精子が卵子と出会い受精し私たちは生まれてくる、と学習しましたが現在は平均でもその分母が半分になっているということになります。年々不妊治療を受ける方やそれによる出生児が増えている事からも、この研究結果を肌で感じ取れます。
技術が発達しグローバル化が起こると環境に何かしらの変化が起こり、その変化が生殖能力の発達に影響を及ぼしていると考えられています。
マイクロプラスチック、電磁波なども要因になっていると言われていますがハッキリした原因はわかっていません。
解決策など思いつくこともできないような大きな問題ですが、何か私たちにもできることがないか、
日々社会で起きていることに目を向け、考えることをやめずにいたいと思います