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2018年を振り返って

担当:ヤマグチ|2018.12.05

今年は暖冬とのニュースを最近よく聞きますが、コートの出番の少なさに、今年の冬の暖かさを実感してしまいます。しかし、たまにとても寒い日があるため体調管理が難しいなぁとも感じます。

皆様も体調に気を付けて残り少ない2018年をお過ごしください。

不妊治療はまだ歴史も短く、これからも進歩し続けている分野であり、そのため、学会や講習会で、新しい発見や、より良い胚の選別法など、従来との視点を変えた方法など様々な事も報告されています。

2018年を振り返り、私が重要視されていると感じたのは、

・胚の選別法は各クリニックでも確立してきている現状からさらなる見極めとなる方法の模索

・産子へとつなぐための胚移植前の検査

・精子力の見直し

この3つのテーマでした。

この中で、特に気になるのが精子力についてですので、今回は精子力についてお話します。

私は10年くらい臨床に携わっていますが、実際に男性の精子数が減少している事を実感します。

WHOの精液基準も以下のように、

(WHOラボマニュアル-ヒト精液検査と手技-5版より)
検査項目 下限基準値
精液量 1.5ml以上
精子濃度 1500万/ml以上
総精子数 3900万/射精以上
前進運動率 32%以上
総運動率 40%以上
正常精子形態率(厳密な検査法で) 4%以上
白血球数 100万/ml未満

だんだんと基準値を下げています。

ただ、精液検査はご提出いただいたその時の所見ですので、結果が良くなくても、1度の精液検査では決めつける事はできません。

時間のない忙しい中で採精した時と、リラックスした時でも所見はがらっと変わる場合もあります。

ただ、精子も数の問題もありますが、受精できる力がないといけません。何事もストレスが大敵ではありますが、より良い精子が作られるために、適度な運動、健康的な食事、精巣の温度が上がらないように通気性の良いしめつけない下着の着用、定期的に射精をする、過度のマスターベーションを控えるなど、身近なところから精子力を上げる工夫をお願いしたいです。

ラボでもお預かりした精液の精子力をできるだけ低下させないようにダメージを少なくなるよう努めています。

精子も卵子もこれからも大切に扱っていきたいと思います。