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卵子凍結

担当:イマイ|2024.10.17

培養室のイマイです。

8月の受精着床学会で卵子凍結の成績を発表しました。
今回は卵子凍結について説明をします。

卵子凍結とは精子と卵子を受精させる前に凍結します。
採卵して卵子を採取していきます。

卵子凍結は
① 妊孕性温存(ガン治療後に妊娠するため)
② 社会的卵子凍結(今しばらく妊娠は考えていないため将来に備えるため)

当院では②を対象とした方の凍結を行っており、凍結開始から10年を経て今回の学会で報告に至りました。

では、受精卵と卵子の凍結方法に違いはあるのかについてです。
使用する保存液、融解液が異なります。そして凍結する方法も異なります。
卵子は水分量が多く、氷の塊が細胞質に形成されやすいので、水分と凍結保護剤の入れ替えに要する時間や使用する液の量がとても重要になります。
受精卵と同じでは変性をしてしまいます。
受精卵の凍結も高い技術が求められますが、さらに難易度の高い方法となります。
ですが、近年、安全性が高く、なおかつ生存率が高い液の登場により、安心安全に凍結に使用することができています。

次に、卵子凍結はデバイスに2個ずつ成熟した卵子をのせて凍結します。
なぜ3個、4個を1本にのせなのか?です。
これは、解かす時に希望の個数に対応しずらいこともありますが、一番は安全に確実に生存して預かることが重要となります。
個数を多くすると、生存率が保証できなくなるからです。

さらに、卵子を融解した後に行う顕微授精です。
今回の報告では生存率が94%ありました。さらにここから顕微授精を実施したところ正常受精率は67%でした。妊娠し、出産された方のご報告をさせていただくことができました。

当院ホームページには学会発表した資料を年度ごとに掲載しております。
宜しければご覧ください。